『 賃貸住宅における家具類の転倒・落下防止対策について ~地震対策~』

近年発生した地震で負傷した3~5割は家具類の転倒・落下によるもの

1995年の阪神淡路大震災をはじめ、近年発生した大きな地震では、負傷された方の3~5割が家具類の転倒・落下によるものとなっています。家具類の転倒・落下は、直接下敷きになるほか、火災の原因、家族の救助や避難の障害になることから事前の対策が重要です。

地震における家具類の転倒、落下等によるケガの比率

 家具等の固定について、平成16年度に東京消防庁で実験した結果、効果の高いものとしては、壁内側の間柱などの下地材に対してL型金具を使用したり、強度のある付け鴨居にベルト式器具を使用するなどの方法でした。

 しかし、転倒・落下防止対策をしていない人の理由に、「賃貸住宅なので壁や付け鴨居等に傷付けられない」という声が多数聞かれます。このことから、付け鴨居に取り付けることの容認や(付け鴨居の補強が必要な場合があります。)、交換可能な家具転倒防止器具取付用の横木などが設置されていれば、入居者の方も対策がし易いと考えられます。

東京都震災対策条例では、事業者は顧客、従業員等について安全の確保に努めなければならないこと、都民は家具の転倒防止など自己の安全確保に努めることが、それぞれの責務とされています。地震時には、まず死傷しないという対策が最も重要です。賃貸住宅オーナーの責務として、入居者が家具類の転倒・落下防止を実施しやすい環境づくりにご協力をお願いいたします。