『次世代へ資産を引き継ぐために必要なポイント』

皆様から数多く寄せられるご相談の一つに“次世代への継承”があります。相続が“争続”になるケースは意外と多いです。起きてしまってからは遅いこともありますので、そのようにならないよう適切な対策を講じておくことが大切です。

そこで円滑な事業承継を行うポイントを纏めてみました。オーナー様ご自身だけの問題でなく、残されたご家族様が困らないように対応しておくこともポイントです。

■賃貸経営にとって必要な基礎知識

賃貸住宅経営にとって必要な基礎知識は、次の3点です。

1.相続になるまでに対策をすれば良いと、のんびり考えている方が多いのですが、万一、認知症になったときのことを考えて、後見制度を知っておくことが重要。

2.賃貸経営に興味が無いのに相続したネガティブ大家さんと、厳しい状況でも賃貸経営を残していこうとするポジティブ大家さんとに二極化していること。

3.東京23区でも空室率30%超の時代では大家業がなくなるかもしれないので、新しい発想が必要であること。

■相続対策の基本的な備え

1.相続税計算方法の把握

2.相続対策の前提として、引き継ぎたい賃貸経営かどうかの見極め

3.現在のキャッシュフローの実態について把握

4.節税に重きを置いて借金ばかり増やしている、将来を考えないで安易に賃貸住宅を建てたりしているなど、相続対策の落とし穴の確認

■事業承継が成功するためには、「家訓」作りが重要

1.事業承継の対象となる賃貸住宅を共有にしたり、遺言書を作ったことを相続人に隠したり、具体的な賃貸経営方法を書いていないような遺言書を作っても事業承継は上手くいかない。

2.相続で親の思いを伝える「家訓」を残すと事業承継が上手くいく。「無駄な借金はしない、関係業者とは仲良くする、入居者に愛情を」など、相続人に何をして貰いたいかを明確にする。「家訓」を作るとやるべきことと経営のよりどころが明確になり、親の思いが伝わり事業承継が上手くいく。

3.親から子へ承継すべき3つの大切なことは、「人脈」「ノウハウ・思い」「優良な資産」

■家訓づくり

準備作業として、資産の棚卸しをするとともに、「経営ノウハウ」「修繕履歴」「保険」「パートナー」などの目に見えない資産の棚卸しもしましょう。家訓を作った後の家族との共有、家族会議の実施、事業改善計画の実施、事業承継の実施に至るまでの進捗確認も忘れずに行うことで、残されるご家族様へのケアをすることが大切です。

東京共同住宅協会では、賃貸経営・賃貸管理・相続(事業承継)・土地活用でのお悩みやお困りなどのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。