『建物の老朽化に負けない計画的なメンテナンスのすすめ』

近年、生涯にわたって充実した人生を送るための未来予想図としてライフプランニングが重要視されています。賃貸住宅経営においても、長期にわたり安定した経営を続けるためには、建物や設備の計画的なメンテナンスが必要になります。短期、中期、長期に区分される修繕費用をしっかりと理解し、計画なメンテナンスを実施しましょう。建物の老朽化を防ぎ、入居者が快適に住める環境を維持することが満室経営に繋がります。

3つに区分される修繕費用

建物の修繕費用は、短期、中期、長期の3つに区分されます。

短期の区分としては、入居者が退去した際に内装などを元に戻す原状回復が挙げられます。入居者の回転率によって左右され、入居者が頻繁に入れ替わるような場合には割高となり、ファミリーのように長期に入居してもらえる場合には、年当たりの費用は安く済む傾向があります。

中期の区分としては、建物の部分的な補修費や設備の交換費用などが挙げられます。設備についてはそれぞれ耐用年数が定められており、交換時期についてはある程度の予測を立てることが出来ます。必ず必要になる費用になりますので、原状回復費用とは別に毎年一定額を積み立てるようにしましょう。

長期の区分としては、建物の外壁や屋根、共用部分の再生をする大規模修繕の費用が挙げられます。大規模修繕については大きな費用が発生するため、どうしても後回しにしてしまいがちですが、適切な時期に実施出来なかった場合、老朽化が進行し抜き差しならない状態に陥ってしまいます。建物の寿命を効果的に伸ばすためには、少し早いくらいのタイミングで実施するのが望ましいです。

長期修繕計画のすすめ

どのような建物であっても、老朽化が進めば外観・内装ともに汚れ、設備についても時代遅れのものとなってしまします。当然ながら、そのような建物に入居者が付くはずもなく、何かしらの対策を取らなければ、入居率の低下や家賃の下落が進行していくことは明らかです。このような事態に陥らないためには、「長期修繕計画」を作成し、計画的に修繕費を積み立てるようにしましょう。そして、先手を打ったメンテナンスにより、市場での競争力を維持することが重要なのです。

※2022年8月23日執筆