『困った不良入居者との付き合い方』
入居者さんの7割近くの方が何らかのトラブルを経験されています。特に共同住宅という特性から、一戸建てと比較して騒音での迷惑を感じている傾向があります。
騒音の発生源は生活に欠かせないものである場合が多く、根本的な原因の排除・解決は難しいと言えます。騒音の元となる音の伝わり方には2種類あります。
●空気伝搬音‥‥発生源から空気を伝わり、窓や壁等を透過して聞こえる音 例:話し声や外部の騒音など。
●固体伝搬音‥‥発生源から建物構造体を振動させて伝わることで聞こえる音 例:足音や物を落としたりして響く音など。
この2種類の特性から騒音対策も異なってきますが、簡単な対策はカーペットなどクッション性のあるものを床に敷くことで、ある程度は衝撃を抑えることができます。
主な騒音の発生源は?
①浴室やトイレの給排水音、扉の開閉音などの住宅用設備、物的トラブル。
②洗濯機、掃除機、エアコン室外機などの住宅用機器。エアコン室外機が目立ちます。
③テレビ、ステレオ、楽器などの音響機器。
④人の声や足音、ペットの鳴き声などの生活音。
これらは生活していくうえで欠かせないことから、気付かずに迷惑をかけていることがあります。
騒音クレームが入った場合
まず家主さん、管理会社が確認すべきなのは次の項目です。被害を訴えている入居者さんや、その他の方からできる限り細かくヒアリングする必要があります。
・その音に気が付いたのはいつからか(わかる範囲で具体的に)
・どのような音がするのか(設備音、足音、人の声)
・音が聞こえる頻度や時間帯(毎日or特定の日、夕方or深夜)
・音が聞こえる部屋の位置(上階or隣、洋室or DK)
騒音トラブルに対応する際は、被害を訴えている入居者が神経質すぎるケースもあることを考慮し、先入観を持たずに状況確認を行いましょう。
騒音クレームへの具体的な対応方法
①掲示板への張り紙、手紙のポスト投函などで騒音被害が出ていることを入居者全体に周知する
②全員に電話をしているような雰囲気で、さりげなく発生源と思われる方に電話をする 例:心当たり、ありませんか?
③実際に騒音の頻発する時間帯に訪問し、調査や上下左右の入居者などへ聞き取りをする
騒音問題で注意喚起する際のポイント
①騒音の原因となる入居者を決めつけない
②中立な立場で、訴えている方の話を傾聴する
③被害を訴えている入居者のフォローをする
騒音被害者の誤解による、新たなトラブル回避のためにも、客観的、かつ具体的に「騒音そのもの」の状況を知り、対策を練ることが大切です。
被害を訴えてくる方はかなり大げさに話を訴えてくることが多いので注意が必要です。
東京共同住宅協会では、賃貸経営・賃貸管理・入居者トラブルなどのお悩みやお困りごとなどのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。