『収益不動産、基礎知識と購入戦略』
収益不動産購入の基礎知識
・不動産購入戦略には、計画→実行→確認→改善というPDCAサイクルが必要で、一度決めた計画も実行していく過程で状況によって見直しを行うことが重要です。
・収益不動産を購入する目的には、①とにかく資産を増やしたいという収益のため、②相続税納税負担を軽くするため、という2種類があります。
・不動産からの収益を見る場合、保有していて毎月の賃料収益を考えるインカムゲインと将来売却した際の売却差益を考えるキャピタルゲインの2つの見方があります。
代表的な不動産戦略は下記3種類となり、コア型とバリューアッド型の中間を狙うのが一番良いと思われます。
①コア型・・・・・・立地、グレードなどが一定以上の優良資産に投資する方法
②バリューアッド型・物件のリニューアル、テナントに対する賃料引き上げ、コスト削減などを行い、利回りを向上させて保有する方法
③オプチュニティ型・問題がある物件を相場より安く購入し、将来の売却によるキャピタルゲインを目指す方法
不動産購入の戦略を練る
先ずは何の目的で不動産を購入するのか考えてみましょう。
目的 | 対象物件 |
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収益性が良い 相続税対策としての効果が高い | 事務所・店舗、商業ビル、中古賃貸アパート・マンション |
収益対策+相続対策 家賃収入よりも相続対策優先 | 投資マンション、分譲マンションなど |
実際に相続対策からみた戦略ということで、何故不動産を買うと相続対策になるのかみてみましょう。
現金1億円をお持ちであれば、相続税評価額はそのままです。ところが土地6,000万円、建物4,000万円で合計1億円のアパートを購入すると、不動産の評価額は4,480万円も減少します(貸家建付地・小規模宅地の評価減・借家権割合のため)。このことから資産を不動産に変えることは非常に良い相続対策と言え、特に投資用マンション、分譲マンションはかなりの節税対策になると言われています。
物件の収益性と相続税対策
相続税対策のために建てたり、買ったりしたが、節税対策にばかりに目が行き過ぎて、賃貸経営としては全然儲かっていないという方からの相談が増えています。不動産収益と相続税対策の両方から不動産購入を考える判断基準を「ROA判定」と言います。「不動産収入÷不動産の相続税評価額」で、実際に何年かかって相続税評価を稼ぎ出せるだろうかと計算するものです。
ROA判定が6%以上、手元のキャッシュが30%以上残るような物件が、購入するのに望ましいと思いますので参考にしていただければ幸いです。