ご相談内容
親から相続した築40年のマンションを持っていますが、リフォーム会社からリノベーションの提案を受けました。その内容は、足場を組んで建物全体を大規模修繕するのに合わせて、30㎡の部屋を2つくっ付けて60㎡に、全体で16室を8室にするという大胆な内容でした。外壁などの大規模修繕も含めて、総事業費1億2千万円と言われました。親がコツコツと貯めてくれていた資金が1億円あり、不足分の2千万円はリフォーム会社の斡旋で借り入れできることになっています。
世の中はリノベーションブームですし、非常に素敵なデザインとか斬新で機能的な設備機器を見せられて、このまま進めたいと思う気持ちが強くなっています。一方では、大きな費用がかかることでもあり、不安もいっぱいです。
別のコンサルタントに相談したところ、そこまで大きな間取り変更を伴うような大規模リノベーションが本当に必要なのかどうか、もう一度検証してみてはいかがでしょうかという話になりました。銀行融資の斡旋までして貰っているので、提案をしてくれたリフォーム会社に申し訳ないという雰囲気にもなっており、とても悩んでいます。
回答
リノベーションブームと言いますけれども、築40年の建物を大規模修繕およびリノベーションしたとしても、構造面から考えると、恐らくあと20年位、長持ちできる程度かと思います。あと20年で役目を終える建物に総額1億2千万円を投入するということであれば、一層のこと建て替えるということも視野に入ると思います。もし、この規模のものを同等で建て替えたとしても試算をすると、1億数千万円から2億円弱くらいで新築物件が手に入ると思います。当然、解体費用その他もありますけれども、最新の設備、最新の入居者ニーズで新築建物を手に入れるのと、それに対し、いくらリノベーションしても築40年というものは変わりませんので、そういったことを考えると、これはむしろリノベーションよりも新築にチャレンジする案件かと思います。
現在、入居者の方も一部残っていらっしゃると思いますので、今後計画的に建て替えるということで、10年間をメドに挑戦されてはいかがでしょうか。入居者さんの入れ替え毎に、間取り変更せずにクリーニングをして建物の美観を維持し、賃料収入を維持しながら定期借家契約に変更していってください。10年の間に建物を維持するリフォームをして、かつ、立退きの問題を解決して、計画的な建て替えを進められたらいかがでしょうか。そうすることで、数十年も働いてくれる新築建物が手に入ると思います。