ご相談内容
自主管理でアパート経営をしています。16年入居されていた方が退去されると連絡があったので、お部屋を見に行きました。そこで、信じられないような光景に出くわしてしまいました。全く掃除をしていない排水口が詰まってしまい、水が溜まった状態で湿気だらけになっていました。すぐ側には雑誌などが山積みになり、湿気った雑誌が原因で床に腐食が起こり、床が抜けていたのです。また、ユニットバス、キッチンにも、通常では考えられないような金属腐食が起きていました。
4年前の更新時に、借家人賠償特約の家財火災保険に加入して貰っていたので、リフォーム会社に原状回復工事の見積もり依頼をするとともに、保険会社に連絡をしました。たった13㎡の木造1Rの部屋なのに、届いた見積書に記載されていた金額は何と100万円を超えていました。保険会社からは、「4年前のご加入時点で既に腐食・破損が起こっていたと考えられますので、支払い対象とはなりません」との冷たい回答がありました。
ごく普通のサラリーマンだと思っていましたが、とんでもない勘違いでした。ご本人に、「保証人さんにも相談して‥‥」と話し始めたら、逆に激高されてしまいました。どのように対処すれば、良いのでしょうか。
回答
ここまでの汚損・破損状況で、原状回復工事金額が100万円を超える状況では、家主さんお一人での交渉は難しいと思います。弁護士に依頼するのも一案ですが、大きな問題なので最初から裁判沙汰になってしまいます。弁護士資格を持たない第三者に取り立てを依頼すると、「報酬を得る目的で法律事件等を対象に法律事務を行うこと」となり、非弁行為として弁護士法違反になってしまいます。
現在、自主管理をされているとのことなので、これを機会に管理会社に管理業務を依頼されてはいかがでしょうか。家主さん自身が伝えにくいこと、行いにくいことを管理業者さんに代行して貰うとスムーズに進むことが多いと思います。その管理会社さんに相談することが得策と思われます。
原状回復工事費用が多額に上りますので、全額ではなく70%とか80%請求にして家主さんも歩み寄っているようなイメージを持って貰うことが効果的です。また、一括支払いは難しいと思われますので分割払いで、かつ、公正証書を利用した約束にした方が確実に回収できます。
私達もなかなか経験しないような難易度の高い問題に遭遇されてショックが大きいと思います。これを機会に、管理会社さんから一歩一歩、管理改善をしていただくようにしたらいかがでしょうか。