「近未来の賃貸経営! 必修知識」
2月15日(金)、住宅金融支援機構本店1階すまい・るホールで賃貸経営の将来を考えるセミナーを開催しました。第1部では株式会社リブセンス 不動産ユニットリーダーの芳賀一生氏より、「進化していくIT社会での賃貸住宅経営」とのタイトルで、IoTで繋がるスマホと賃貸住宅設備、AIを活用したマーケティング・物件管理・物件検索システムの将来、シェアリング・エコノミーの進化と賃貸経営に与える影響などについてお話しいただきました。その中から、「賃貸経営に関する不動産テック」のテーマについて内容紹介をさせていただきます。
1.不動産テックによる価格の最適化・見える化
まだ査定の精度は良くありませんが、まもなくAI(人工知能)によって取引事例等のビッグデータをもとに正確な現在価値を推定したり、10年後の価値予測ができるようになると言われています。少子高齢化、空き家問題を抱える中で、AIによってこの地域ではどれくらいの空き家が発生するか、必ず予測できるようになります。このようなツールを知っている家主さんと、そうでない方とでは賃貸経営に大きな差が付いてきます。
2.今後、変化していく賃貸仲介・賃貸管理
今までの賃貸物件探しは、入居希望者が不動産仲介会社に行って物件紹介をして貰うのが一般的でしたが、30年も経たないうちに、仲介業務は無人化されると思います。借主さんが、AIを使って自分で情報を探し、賃料査定もしてしまい、入居決定までしてしまうことが近い将来には実現します。
管理業務についても同様で、管理の専門家である管理会社への業務丸投げから、家主さんがAIを使って自ら情報収集しにいく必要性が出てきます。ITを活用して新しい賃貸経営情報を取得したり、AIによる賃料査定とか、資産売却、賃貸経営方針の確定、民泊など新しい業態への転換まで考えてくれる時代がやってきます。
3.IoT スマートハウスの実例
IoTですべてがインターネットにつながるスマートハウスは、まだ過渡期だと思います。ある大手不動産会社がスマートロックを応用して借主不在を検知して家事代行サービスを提供したり、未来の家プロジェクトでは室内環境、生活動線、食事内容などをセンシング・解析する技術をテストしていますが、この部分についてはまだ懐疑的です。
国内の住宅におけるIoT化は、少子高齢化とともに発展していきます。今後、AI、IoTが本当に活躍するのは、ひとり暮らしの年配の方への見守り機能・自立支援のためのスマートスピーカーとか、DINKS時代の子供さんへの見守りなどには大きな役割を果たしてくれると思います。
4.まとめ
IT、IoT、AIなど横文字ばかりで分からないとは思いますが、「何だろうな?」と関心を持っていただくだけで情報は入ってくるようになります。是非、次の賃貸経営に役立てていただきたいと思います。