チェックを行った後、建てる方針が固まった時、次にテーマとなるのが、敷地に合った規模、プラン、構造などの検証です。そこでハウスメーカー、ゼネコン、工務店など、どのような建設会社を選択するか初めて検証します。そして入居者の最新動向に合った間取り、設備を十分に反映させたプランが構築されて、安心して先に進むことができるのです。ただし、どのような時でも立ち止まり、中止する勇気も大切です。「土地活用の成功・責任は、すべてオーナーにかかってきます。誰も助けてくれません。出来上がった建物は一生、あるいは、次世代にまで影響を与えることになります。
よく、複数社のプランをとって比較検討される方がおられますが、せいぜい3社程度にとどめておくべきでしょう。先日も、ある地主さんが、ダンボール一杯にプランを出してきて、訳がわからなくなったと言っていました。それぞれのプランは各社バラバラになりがちですので、比較するにはフェアでなければなりません。自己資金、金利、賃料相場などを統一した比較表を作るのが適正判断の入り口となります。「建築費用はただ安いだけで判断してはいけません。」
ある地主さんは、飛び込みの営業マンにほだされて真剣な比較検討もせずに、2億円の工事契約を結んでしまいました。工事の手付け費用として8,000万円を支払った直後、その会社が倒産してしまい、大変な目に遭われました。お母様は入院し、本人も過労でふさぎこむようになってしまいました。
このケースは極端な事例ですが、建設会社の営業マンのペースには決して乗らないようにして下さい。たまたまその方は大地主だったので、他の土地を売って別の建築会社で再起することができましたが、他に売る土地や自己資金がある人ばかりとは限りません。
この事例については、建築費の安い会社を安易に選んだことも原因の1つとなっています。「品質と価格はイコール」でなければなりません。ヒューザーや姉歯の事件は、そのことを如実に物語っています。そういった意味では、「建築費の高い安い」・「営業が熱心」で建築会社を判断するのは、失敗の原因のひとつとなります。