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  • 金融不安・不況時の賃貸経営
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現在の状況

 2008年末に米国で発生したサブプライムローン問題に端を発し、日本でも株価暴落や金融不安といった問題が発生しました。雇用調整による失業率の悪化の影響も徐々に出始めています。既に皆様もご存知のとおり、米国でのリーマン・ブラザーズの破綻は金融・証券業界に大きな影響を与えており、日本のみならず世界的な金融不安にも繋がっています。
そんな中、耐震構造偽装事件以降改正された建築基準法の影響や、景気低迷による販売不振による資金繰りの悪化により、今年に入ってから、破産や民事再生手続きのため、上場廃止となった建設・不動産関連企業が増えました。金融機関の貸し渋りや消費者の景気の先行き不安による買い控えによる住宅関連の販売不振が直撃したのが主な原因です。

2008年以降に上場廃止となった企業(建設/不動産関連)

企業名 負債総額 主な破綻理由
スルガコーポレーション 620億円 弁護士法違反で金融機関からの資金調達が困難に
真柄建設 348億円 不正な会計処理発覚で信用失墜
ゼファー 949億円 販売不振、子会社破産による資金繰りひっぱく
アーバンコーポレイション 2558億円 サブプライム、建築基準法改正の影響による信用低下、資金難
創建ホームズ 338億円 販売不振、調達コスト増、サブプライムによる資金調達難
リプラス 326億円 不動産取引低迷と資金調達難
ランドコム 309億円 販売不振、金融不安による資金調達難
井上工業 125億円 市況悪化による受注減、取引先破綻による回収難による資金難
新井組 427億円 不良債権の発生とそれに伴う信用不安(連鎖倒産)
東新住建 491億円 建築資材の高騰、サブプライム問題による金融市場混乱で資金難
クリード 650億円 不動産市況の急激な悪化 金融市場混乱で資金難
日本綜合地所 1975億円 市況悪化による販売不振、金融不安による資金調達難
ニチモ 757億円 販売不振、サブプライム問題による金融市場混乱で資金難
SFCG(※金融) 3380億円 市況悪化による貸付債権回収不振、金融不安による資金調達難
パシフィックHD 1636億円 不動産市況の急激な悪化、金融市場混乱で資金難

賃貸経営をする上で今の不動産市況をどのように見るか?

 サブプライム問題を発端とする、近年首都圏新築マンションの成約率においても、好不調の目安となる70%を下回る月が多く販売苦戦は数字上も明らかです。但し、土地の価値や評価が下がっても、すぐに固定資産税が安くなるわけではありませんから、景気動向と実際に感じる景況感にはギャップが出てきます。

一方、賃貸住宅はどうかといえば、従来であれば新築アパートや新築マンションは完成前に入居者が決まり、物件によっては満室になるのが当たり前という時代もありましたが、最近では新築物件であっても完成前に満室にならない物件も出始めています。分譲マンションや住宅も供給過剰になっていますが、賃貸市場でも既に需要に比べ供給が勝っており、賃貸物件も余り始めています。
事実、引っ越し件数も年々減少傾向にあり、不況による企業のリストラ(支店の統廃合)や経費削減、それにともなう人事異動数の減少、子供の進学についても遠方ではなく通える範囲で進学させるというケースが増えていることが影響していると思われます。

不況時は物件の差別化で差を付けよう

賃貸住宅の需要が減ったとはいうものの、人事異動も進学も全くなくなった訳ではありませんから、入居者ニーズの再検証や建物診断をして乗り切ることになります。
ライバル賃貸経営者との差別化が満室経営の近道になります。
収益改善のために管理コストの削減は大事なことですが、最近の入居者は建物の見た目や機能・サービスに敏感です。賃貸経営を長期的な視点で考えた場合、質の高い管理が重要で、かけるべきところにはしっかりとお金をかけた方が、建物も長持ちしますし、最終的な「収益」という観点でとらえた場合も収益拡大につながります。
お金をかけるだけではなく、賃貸経営上、工夫できることもたくさんあります。例えば、室内のクロスひとつとっても、工夫次第で入居率をあげることができます。一般的には白のクロスを採用するケースが多いですが、個性的なクロス柄を選ぶというのも物件の差別化に繋がります。同じく、フローリングについても人気の色がありますので、その時代の人気の高いものを選定するとよいでしょう。あるいは、フローリングよりもクッションフロアにした方が、見栄えはほぼそのままでコスト的には大幅に圧縮することも可能です。
外構(がいこう)部分も最初に建てる時にきちんと考えておくと、後で大きな差になっていきます。エントランス(入り口)部分や植栽をどうするかなど、工夫次第で見栄えが大きく変わってきます。エントランスはその物件の顔です。見栄えが良ければそれだけ高級に見え、住みたいという気持ちにさせるばかりではなく、賃料も高く取れる可能性が出てきます。植栽についても同様で、緑がある建物は心地よさを感じさせてくれます。

また、明確なコンセプトを打ち出すというのも一つの方法です。例えば、ペット共生型であったり、デザイナーズであったり、女性専用であったり、外国人可としたり、防犯面で強化してあるなどの、借り手に分かりやすいコンセプトが打ち出せれば、差別化にもなりますし、物件のセールスポイントにもなりえます。

資産運用という観点から考える

ところで、株式投資と土地活用を比較して考えてみると、冒頭にもあったようにリーマン破綻の影響で、株価も暴落から乱高下の様相で、株価は一個人投資家ではいかんともしがたいところがあります。どんな投資にもリスクが伴いますが、リーマン破綻のように投資家の責任のないところで株価が変動しますし、このような急激な変化が発生した場合、一般の投資家の多くは対応しきれないのが現状です。そう考えれば、土地活用を堅実に行うことによって得られる不動産収入は長期的な視点でみても投資家の努力である程度の収益率のアップも見込め、かつ安定的な投資であるといえるのです。


※年に4回発行される東京賃貸住宅新聞より抜粋

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